資産形成ネタ

日本の年金制度を崩壊させるのは日本人自身なのかも知れないなと思った話

年金チャート

こんにちは!あろまろっぷです!
Yahoo!ニュースで興味深い記事を見つけたのでご紹介です。

年率3.59%の「日本の公的年金」は、なぜ世界より劣るのか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/89e843688ffe94d3eaee0627cf1487dffd87b637

詳細は上記記事を読んでいただきたいのですが、簡単にまとめると

日本人の多くが元本割れのリスクがある株式投資を危険な運用だと考えており、大切な年金を株式で運用するなんてけしからんという意見があることから他国の公的年金よりも低いリターンのポートフォリオしか選択できず、運用成績で他国に負けている。

という記事の内容になっています。

実際にどの程度の差があるのか、記事に記載がある各国の年金の運用成績を元に確認してみましょう。
日本以外のカナダ公的年金は8.48%ノルウェー公的年金は7.36%という成績なのですが、日本の厚生年金は3.59%という結果になっており、2倍程度の差が出てきてしまっています。

そして、そのリターンの差は各国のポートフォリオによって決まっているというのです。
具体的に値を見てみましょう。

カナダ公的年金  :世界の株式 85%、世界の債券 15%
ノルウェー公的年金:世界の株式 70%、世界の債券 30%
日本の厚生年金  :日本株式 25%、外国株式 25% 日本債券 35%、外国債券 15%

上記の様に日本以外の国の公的年金はその多くを株式で運用しています。しかも、自国の株式ではなく、世界の株式に投資をしています。
それとは異なり日本では株式への投資は全体の半分となっており、しかも株式への投資額の半分を日本株式に投資しています。

その結果、日本の厚生年金は3.59%という低いリターンとなってしまっています。


この記事を読んだ時にあろまろっぷが考えたのは、日本人の金融リテラシーの低さをそのままにしておくと、その本人だけの問題ではなく、年金制度が破綻する危険性にまで及ぶ可能性があるのではということでした。

金融リテラシーが高い人はそれなりのリターンを得るためには適切なリスクを取る必要があることと短期的な値動きには何の意味もないことを理解しています。

しかし、日本における年金の報道はかなり悪質で、一時的な含み損を嬉々として大々的に取り上げるにも関わらず、含み益が出ている時にはスルーして報道すらしないメディアもあります。

それらの不平等な報道により、金融リテラシーが低い人たちを中心に年金の運用は価格の変動が少ない(リスクの小さい)商品で行うべきだという声が大きくなった結果、今以上にリスクの小さい運用になっていくと、いざ積立金を取り崩すフェーズに入った際に期待していたよりも積立金が貯まっていなかったということが起きるかも知れません。

リスクを恐れた結果、期待していたリターンも得ることができなかったという最悪なパターンです。


現在、国は長期積立分散投資を広める目的でiDeCoやつみたてNISAなど税制が有利な制度を作り、投資が一般的な世の中になる様にいろいろと施策を打っています。
2022年度から始まる高校での金融教育もその一環で若者の金融リテラシーを上げるための取り組みとなります。

金融教育によって金融リテラシーが高い国民が増え、悪意のある報道に惑わされずに他国と同じ様な年金の運用を国民の側から希望するような世の中になれば、2000万円問題や年金破綻などの老後の不安がなくなり、若いうちからお金を使えるようになって、経済も活性化してくるのではと思います(あろまろっぷの希望的観測)。

金融リテラシーをどの様にすれば上げていくことができるか、あろまろっぷもできることから色々と試してみようと思います。